北斗の拳@大事典

北斗の拳の解説

北斗の拳の解説


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概要と連載に至る経緯 : 北斗の拳の解説

概要
北斗七星に象徴される伝説の暗殺拳"北斗神拳"の伝承者、ケンシロウの生き様を描くハードボイルドアクション。舞台は199X年の最終戦争後の地球。核戦争によって文明と人々の秩序が失われ、残された資源(主に水と食料)をめぐって争いが繰り返されるという、暴力が支配する世界である。

1980年代の「週刊少年ジャンプ」を代表する作品の一つであり、漫画家・原哲夫と漫画原作者・武論尊の最大のヒット作にして代表作である。単行本は1984年から1989年にかけてジャンプコミックス全27巻が発売されたほか、愛蔵版、文庫版(それぞれ全15巻)が刊行され、2006年には小学館より完全版全14巻が刊行された。2002年よりフルカラー化したマスターエディションがコアミックスより発売されたが、刊行は4巻までで頓挫している。2007年現在で単行本の累計発行部数は1億部超と言われる。

主人公の使う北斗神拳により人間の頭や胴体が破裂するショッキングな描写、言葉にならないような独特で異様な断末魔の悲鳴、大時代的ともいえる宿命的な物語、ケンシロウの相手に対して既に死んでいる事を告げる台詞や、ラオウの死に際に放った己の人生に悔いが無い事を叫ぶ台詞などのキャラの個性を際立たせる数々の名台詞から一大ブームを巻き起こし、日本中でまねをする子供が見られた。「秘孔を突く」という言葉もよく使われた。ただし、上記の名台詞の前者のものの流行は、アニメ(特に初期)での多用が強く影響したもので、漫画本編では当の台詞は1・2回程度しか使われていない。


「少年ジャンプ」での連載の経緯
『北斗の拳』の原型となる読み切り版『北斗の拳』が発表されたのは、「フレッシュジャンプ」1983年4月号であった。霞拳四郎という主人公が北斗神拳を使用して恋人ユキを殺した悪と闘うというもので、時代設定は現代である。これが、読者アンケート1位と好評を博したため、「週刊少年ジャンプ」での連載が検討されるが、慎重を期して再び「フレッシュジャンプ」1983年6月号に続編の読みきり『北斗の拳II』を掲載。これがまたも人気トップを獲得したため、「週刊少年ジャンプ」での連載が決定した。尚、この作品については、原哲夫のオリジナルで、武論尊は関わっていない。この読み切り版『北斗の拳』は『鉄のドンキホーテ』という原哲夫の単行本巻末に収録されている。

「週刊少年ジャンプ」での連載は、1983年から1988年までに及び、時代設定は核戦争後となり、奪われた恋人を探す設定となった。週刊ペースで連載するには作画に専念したいと言う原哲夫の意向から、ジャンプでは『ドーベルマン刑事』以来ヒットに恵まれなかった武論尊が原作を担当する分業形式になった。

連載開始間もない頃から大ヒット作品となり、落ち込み傾向にあった「ジャンプ」を救う看板作品となった。ラブコメ路線で30万部差までに追撃していた「週刊少年サンデー」を突き放し、1984年末に「ジャンプ」が400万部を達成。後の600万部体制の足がかりとなった。これについては「さらばわが青春の『少年ジャンプ』」において、元『ジャンプ』編集長の西村繁男は「サンデーのラブコメ路線を北斗の一撃が粉砕した。これにより、他誌の人気ジャンルには正反対のジャンルの作品をぶつけるというパターンができた」と語っている。常に人気もトップクラスで、武論尊と原哲夫ともに、この作品の印税収入で「北斗御殿」を建てたといわれる。

武論尊と原哲夫は後述するケンシロウとラオウとの闘いの決着をもって物語を完結させる意向であったが、当時の「ジャンプ」の方針(編集部の業務命令:ちなみにこの時点の編集長は後藤広喜である)により連載は延長される。それ以降のストーリーは、矛盾が多く辻褄が合わないものと化し、カイオウ、ヒョウ、リュウの設定に至っては、それまでの物語を根本から覆してしまう程であった。

もっとも上記のような状況に陥った原因は、再三続いた編集部の連載延長処置によるもので、武論尊はラオウの死後、新展開の構想のため2ヶ月間は休載出来ると思っていたが、実際には翌週から開始せねばならず、極めて短期間の間に物語と設定作りを同時に行うことになって混乱状態に陥ったためか、連載終了後も「ラオウ編以降はあまり覚えていない」と発言している。

なお、本作の担当編集者の堀江信彦は本作の最終回に原哲夫や武論尊と同等の扱いで名前がクレジットされ、原哲夫らとは以後もコアミックスを立ち上げるなど良好な関係を続けている。